ナトリウムランプ

ナトリウムランプ

ナトリウムランプは、ナトリウム蒸気中のアーク放電による発光を利用したランプのことでナトリウム灯(ナトリウムとう)とも呼ばれる。

1932年、オランダのギレス・ホルスト Giles Holst によって発明された(同じ年に高圧水銀灯もイギリスで発明されている)

基本構造は水銀灯と同様で、放電を行う発光管とこれを覆う外管からなっていて、外管内部は真空となっている。

これは原理上、高温でナトリウム蒸気を加熱する必要から断熱性を高め熱損失を少なくするためで、光の透過効率をあげ、電極や他の金属部の劣化を防ぐ効果も果たしている。

電流-電圧特性も同じ負特性(電流が上昇すると管電圧が低下し、過電流で破損する)なので、リアクタンスとなる安定器を必要とする。

初期においては発光成分がナトリウム原子の輝線スペクトル(D線、D1: 589.6 nmとD2: 589.0 nm)のみで極端な単色光だったが、技術的な進展により現在では白熱電球に遜色ない光も得られる様になっている。

低圧ナトリウムランプ

最初に開発されたタイプであり、日本での略称はNX(三菱電機はSOX)。ナトリウム蒸気圧は0.5 Paと真空に近く、始動補助用に少量のペニングガス(ネオン+アルゴン)が封入されている。

実用光源のなかでは最も発光効率が高く、120 - 180 lm/Wとされる。しかし色の見分けができないなど演色性は皆無に近く一般用途の照明には不適なことから非常用照明のほか、主に道路やトンネルの照明などに用いられた。

ただし、この用途ではむしろ橙黄色(遠くからはオレンジ色に見えるが、近くからは黄色に見える)の単色光であることが、視認性向上などで有利となっている。

  ヒトの網膜は、緑 - 橙の範囲の光に対し敏感で、視細胞も色より明暗に敏感なので、照明の有効範囲が広くなる
   微粒子による光の散乱は長波長(赤)ほど小さく、霧や煤塵などが多い空気中の透視性が高くなる
   波長による屈折率差が原因で生じる色収差が生じにくく、視覚的にコントラストが高まるためはっきり見える
   紫外線を発しないので蛾などの昆虫が集まらず、汚れにくいのでメンテナンス上有利
   光害が比較的少ないため、天文台の周辺地域で用いられる
   単色光とは関係ないが、発光管が断熱されているため、寒冷地での使用に耐える
   瞬時再始動が可能である。

低圧ナトリウムランプ用の安定器は、特殊なピーク進相回路を用いている。安定器の2次電圧が300 Vを超えるため(NX35:320 - 370 V、NX180:590 V)絶縁変圧器を用いるか、ランプ取り外し時に電源入力が切れる様、インタロック付ソケットを使用している。

日本では特に国道、神奈川県、埼玉県、長野県などの道路に多かったが、最近では高圧ナトリウムランプが使われるようになり、トンネル以外で低圧ナトリウムランプを見かけることは少なくなっている。

  • 最終更新:2016-06-23 10:15:42

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